海苔ささみピザパン

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ぞんざいな生活2

 時刻は早くも23時半、寝る前の薬を飲む時間である。私は散らかった部屋の諸々の中から慣れた手つきで目当ての薬を探し出すと、シートから錠剤を押し出して手のひらに乗せた。しかし、それを飲み下すための水がない。……いや、水がない、というのは不適切な表現である。なぜなら私は薬を水で飲むことに全く拘っておらず、お茶やジュース、酷いときにはコーヒーなどで飲むこともあるのだ。だから今のこの状態は、水がない、と言うよりは「液体がない」と表現するのが適切であろう。台所のシンクまで行って水道水を汲もうかとも思ったが、既に右手は錠剤が占領している。さて、どうしたものか。と辺りを見ると、机の上に数時間前に買ってきて食べたコンビニおでんの容器があった。中にはまだ汁が残っている。ちょうどいいものがここにあるではないか。私は迷うことなくおでんの汁で薬を飲み下した。汁を捨てる手間も省けて一石二鳥だと喜ばしくすら思う。

 私の生活は万事に於いてこのような程度である。軽蔑されて然るべきかもしれない。生活というものに重んじるほどの価値を感じられない私は、何かが欠落しているのだろうか。