海苔ささみピザパン

いろいろです Twitter@kame_kau

お別れ会

5年間働いた職場のみんなが、私のためにお別れ会を開いてくれた。良くしてくれた同僚や先輩のみんながたくさん来てくれた。寄せ書きの色紙をくれた。みんな私のことを一瞬であっても考えてくれて、(私はこの手のものを書くのがとても苦手なので分かるのだが…

「生活の行為」の必要性

洗濯物を仕分けして洗うこと、布団を干すこと、カーテンを開けること、そういった細かな「生活の行為」の必要性が、最近やっと分かってきた。 私の空っぽな生活の器が徐々に満たされていくのは安心感がある。 私にとって生活が重要でないことは変わらないの…

個人的な感覚

人のことは知りたいけど自分のことは一切知られたくない、という感覚があります。 最近は大江健三郎の小説をいくつか読みました。大江健三郎は、愛媛県の山間に生まれ、大学受験をきっかけに上京した経歴を持っています。また私も、高知県の山間に生まれ、大…

『スマイル』

今朝の話です。 7時40分、私はバイト先へ向かうために家を出ました。昨夜は3時頃まで寝付けませんでした。7時20分になんとかベッドから這い出て、半開きの目で洗顔、着替え、化粧もそこそこに玄関へ。冷蔵庫からひっつかんで来たウィダーインゼリーを気合い…

知ることによって

私は、20歳になったばかりの頃、アホのようにお酒を飲んでいました。バイト終わりにコンビニで200ml入りのウィスキーを買ってきて、それを氷も何もなしに1/3ずつコップに注いで、一気飲みしていました。 私はお酒に強く、そんな飲み方をしてもせいぜい楽しく…

風の谷のナウシカ感想

死は生と、罪は聖と、賢は愚と見える。いっさいはそうなければならない。いっさいはただ私の賛意、私の好意、愛のこもった同意を必要とするだけだ。そうすれば、いっさいは私にとってよくなり、私をそこなうことは決してありえない。(ヘルマン・ヘッセ『シ…

翼よ!あれが通天閣の灯だ

最近、道行く人が私を見ているような気がしていた。実際私は、先天性の障害によって左腕が不自由で、挙動不審で、声も少し変だ。だから知らない人も私を気持ち悪いと思って見ているのかもしれない。そう思った。 昔からの友人には、実際君は目立っているよ、…

書きかけの遺書

13歳の頃、遺書に、「私は色々な問題を抱えすぎている。それらの問題を後回しにし続けて全てのしわ寄せが来る前に自殺するしかない」と書いた。私は結局死ななかった。あのときからずっと抱え続けている私の問題たち、見えないところで歪み続けている人生の…

会話をするということ

とあるアイドルグループのオンラインイベントを見ていると、こんな会話がありました。 A「お腹すいたー」 B「え、お腹すいた?(笑) うーん、じゃあー、お寿司だったら何食べたい?」 私はそれを見てとても嬉しくなりました。会話というのは常にこうあってほ…

安全

天井が波打っている。天井が波打つはずはないから、波打っているのは眼球の方かもしれない。でも、眼球が波打つはずはないから、やはり波打っているのは天井なのかもしれなかった。 蛍光灯が4本あって、ああこいつを殺すならあの肋骨の隙間にナイフをねじ込…

なんとなく憂鬱な気分になる思い出

小学一年生のとき、担任の先生が帰りの会で「心ってどこにあるか知っちゅう?」と言いました。先生は左胸に手を当てて、「みんなここにあると思っちゅうでね」と言い、それから頭を指差して「でも本当は、心はここにあるが」と言いました。 その先生は別の日…

勝負を楽しいと思ったことがない

Twitterでも何度か言っていることですが、私は勝負の楽しさが理解できません。勝って嬉しい、負けて悔しい、そういった気持ちを感じたことがないのです。 みんなで集まっているとき、ゲーム(トランプ、人狼、マリオパーティ等)をやる流れになったら私は参…

プリクラの思い出

私の通っていた小学校では、小学校5年生か6年生になると、電車で数十分かけて小さなショッピングモールに行ってプリクラを撮るのがお姉さんになった証のようになっていた。私も例に漏れず、5年生になったある日、プリクラを撮りに町へ繰り出した。そうして撮…

昨日と今日

4月24日(金) 新しく買った歯ブラシで歯を磨いたら、昨日歯磨きしたときの数倍口内がすっきりした。古い歯ブラシを使うのはやっぱりよくないんだなあと思った。月一で交換するのがいいらしいけど、1か月後、つまり5月24日まで歯ブラシの買い替えのことを覚え…

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服屋の店員さんとお話しするやり方が分かってきた。人を尊敬することができるようになった。恥ずかしがらずに自分の話ができるようになった。顔を上げて道を歩けるようになった。 私は明るくなった。朗らかになった。笑顔が増えた。でも、胸の中の黒いものが…

歯ブラシの買い替え時期

昨日の夜、歯磨きをしているときにふと「この歯ブラシそろそろ買い替えなきゃな」と思った自分に愕然とした。歯ブラシの買い替え時期なんて、いつ誰に習った? 私はどうやら歯ブラシの買い替え時期を自然と察知できる側の人間になってしまっているらしい。“…

ぞんざいな生活2

時刻は早くも23時半、寝る前の薬を飲む時間である。私は散らかった部屋の諸々の中から慣れた手つきで目当ての薬を探し出すと、シートから錠剤を押し出して手のひらに乗せた。しかし、それを飲み下すための水がない。……いや、水がない、というのは不適切な表…

短歌

(ごく稀に短歌を詠んだりしています。 過去作はTwitterのモーメントにまとめて記録していたのですが、Twitterアプリから編集できなくなってしまったようで大変不便なので、はてなブログの方にまとめて記録することにしました。 今後も作品が溜まったらブロ…

シ、恐らく

少しだけ開いているカーテンの隙間から街明かりが侵入してきてぼんやりと暗闇を照らす、お前は偽物の星なんだろう? 鋭角三角形の異空間から干しっぱなしの自意識がヒラヒラと死んでいった。 私はもうずっと眠れもしないまま幽体離脱した自分が抜け殻の私を…

(小説)さよなら

ヤナギハさん(https://twitter.com/yanagihatei)との連歌で出来た一首の短歌に着想を得て書きました。このブログの公開を快諾してくださったヤナギハさん、ありがとうございます。 オブラートふやけていくよどうしよう さよならの刃(やいば)飲み込めぬまま …

傲慢

片足の指のない鳩を見たことがある。 京都のとある街中を歩いていると、道路の真ん中をフラフラと歩く小ぶりの鳩を見かけた。近付いても全く逃げようとせず、初めのうちは何て能天気な鳩なんだろうと半ば呆れていたのだが、よく見るとその鳩の片足には指が無…

無題

「この歌、途中まですごい良いのに最後の方の歌詞で急に正論振りかざしてくる感じが気に食わないんだよね〜」 そんなことを言っていた彼女は今、私よりもよっぽど“正しい”人生を歩んでいて、ここからは見えないほど遥か遠くに行ってしまった。私はと言えば、…

2018年8月5日の手記

ケーキを食べた。円錐型のモンブランを、端のほうから倒れないように気をつけながらフォークで削った。私にしては割と上手くできたと思う。円錐がずいぶん細くなるまで、モンブランは立ったままだった。もう一度フォークを刺し込もうとした。目線の先には、…

2018年7月16日の手記

電車に乗っているとビルの光が見えた。経験上ビルの光だと分かってはいるが、今日はビルが認識できず、光が光そのものとして認識できてとても綺麗だった。オレンジや白やたまに青の光がたくさん浮かんでいた。宇宙だと思う。 そういうことじゃないと思います…

2017年9月19日の手記

私は生粋の田舎者だ。四国の山奥から大阪に出てきてもう半年以上経つけれど、未だに人混みには慣れないしビル街を歩くときょろきょろしてしまうし電車の便利さには感動してしまう。今年の夏は京都の稲荷大社に遊びに行ったときを除くと一回も蚊に刺されなか…

7月7日

(前略)最も重要な、あるいは最も魅力的な願いとして明らかになったのは、人生を展望すること……であった。人生がそれ本来の厳しい浮き沈みを続け、同時に人生がそれと同じようにはっきり虚無として、夢として認識されるように展望したかったのである。 (カ…

ぞんざいな生活

お気に入りのステンレス製のコップに入れた麦茶を一口飲んだら、薬みたいな味がした。この麦茶変な味だな、と昨日から思っているけど、捨てたり作り直したりするのが面倒でそのまま飲み続けている……いや、面倒、という感覚にすら達していない。麦茶が変な味…

帰宅

道路には車のブレーキランプが赤く散っていた。私は横断歩道の白いペンキを踏みつけながら、ずり落ちてきたリュックサックの肩ひもを元の位置に戻す。伸ばしすぎた髪が首にまとわりついて少し不快だ。世の中はどうやら夜だった。ぶっ壊れたクーラーから出て…

帰省

高知県の空は広い。澄んだ空は真上に行くほどその青色を濃くしていく。その色のグラデーションが青い風船のようだと昔から常々思っていた。膨らませたゴム風船は膨らまし口に比べて頂上辺りの方が伸びきっておらず色が濃い。青く澄みすぎた空を見ていると、…

かかとの高い靴

去年の夏に買ったかかとの高い靴を履いてみた。買ってすぐの頃にはヒールに慣れなくて数十歩歩くたびにつんのめっていたのに、いつのまにか平気で歩けるようになっていた。アパートの階段を降りる。ヒールの音がカツカツと、少し大げさに感じるほど響いた。 …